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木育エッセイ「木育の種、咲かせた花」PDF版を作成しました -  2025.04.20 Sun

2023年1月から2024年12月までの2年間にわたり連載してきた木育エッセイ「木育の種、咲かせた花」。
このたび、2024年7月に開催された木育&木育ファミリー20周年イベント「二十歳の木育 〜 テーマはマツ」の開催報告も加えて、1冊のPDFにまとめました。

木育の創生期から、これまでの歩み、そして未来への想いまでがぎゅっと詰まった一冊です。
木育に関わってきた人々の熱い気持ちが、エッセイを通して伝わる内容になっています。

お時間のあるときに、ぜひお読みいただけたら嬉しいです。

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木育の種、咲かせた花」PDF版はコチラ。

木育の種、咲かせた花〜エピローグ -  2024.12.16 Mon

「木育って何?」
この20年間、何度となく投げかけられた言葉でした。
その問いに対して、「木育とは、子どもをはじめとするすべての人が、人と、木や森との関わりを主体的に考えられる豊かな心を育むこと。木とふれあい、木に学び、木と生きる取組」と答えてきました。でも、「感覚的なことじゃなくて、具体的に何をすることなの?」と返されたりして、思いがうまく伝わらず、口惜しい気持ちになることもしばしばでした。

それでも、北海道の木育が大事にしたかったのは
「子どもに届けたい。でも、子どもだけのものじゃない。」
「森林だけじゃない。木材だけじゃない。」
既存の活動にスポットを当てつつ、これから生まれる新しい取組、様々な可能性を内包していけるような、大きな“つながり”の概念。

20年を経て、木育に携わる人の数も増えました。思いの種は、行政の施策となり、マイスターという人材になり、製品となり、花を咲かせています。そして、木育に携わる人それぞれに「木育って何?」に対する答え、「私にとって木育とは○○」ができたように思います。

この20年間の取組を通して、森のスペシャリストや木工家とのつながりができました。
真夏でもどこかひんやりした森の空気、やすりがけした木材のすべすべした手触り、焚火であぶったマシュマロのおいしさを知りました。子どもが私の仕事を理解しようとし、認めてくれました。うまくいかないこともたくさんありましたが、振り返ると宝物のような時間が存在していたと感じます。

木育という言葉ができて20年。ようやくハタチ。人々の心に根付いていくために、まだまだこれからです。このエッセイを読んでいただいた皆様が、これからの木育の取組の中でつながっていけますように。これからの木育がより実りあるものに育っていきますように。

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今回で、木育20周年の連載を終了します。
お読みいただきありがとうございました。



◆北海道水産林務部治山課 根井三貴

木育の種、咲かせた花〜第17回「木育が社会に与えたコト」 -  2024.10.17 Thu

木育の種、咲かせた花
それは北海道らしいライフスタイルの共通項
 もともと「木育」は市民や道庁が一緒になって話し合い、考える「協働検討システム」によって生まれた事業です。協働とは市民や行政、企業といった異なる分野の人が相互に理解しあい、協力し、新しい公共をつくるものです。木育プロジェクトはその協働を体現した代表的な事業になったと思います。この協働の成功の鍵は異なるものを結びつけ、新しいものを作るコーディネート能力です。この20年の木育の取り組みで、木育マイスターを中心に各セクターにこのコーディネート能力が磨かれた人材を育成できたことは、今後の森林行政、森林事業を進めていくうえで大きな財産と感じています。
 そして、この協働において、異なるもの同士がミュニケーションをとるには、まず最初に土台となる共有の文化、共有の感覚、共有の目的といったものが必要になります。それが北海道においては、森であり、木であり、森との暮らしであることを思い出させてくれました。
 冷帯に属し、針葉樹林と広葉樹林をそしてその混交林を有し、多様で豊かな森を残す北海道では、それを改変することなく、あるがままの森林を資源として使い、循環的にそして持続的に活用していくことが暮らしの基本なんだと気づかしてくれました。それは先住民であるアイヌの暮らしへともつながっていきます。北海道民が暮らしを紡いでいく中でこの森林資源をどのように暮らし、産業に取り入れていくかは全員の「共通課題」ということを学んだ20年だったと思います。

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森と人間が一緒に成長していく暮らしを目指すことが木育の理念です

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北海道においては多様性に富む 広葉樹の森を循環型資源として利活用していくこと、それを学ぶ木育が求められています

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木育マイスターフォローアップ研修ではアイヌの木の利用方法からも木育のヒントを学びます。樹布作り体験

木育の種、咲かせた花
それは公共が生み出す「マーケット」という概念です。
 ここでいうマーケット(市場)とは、サービスや製品を購入しようとしている、または今購入する見込みのある個人や組織の集合のことです。 木育がはじまる前から木材や木製品、森を使ったサービス産業を売ろうとした取り組みは行われていたと思います。しかし、人々はそれらを欲しがるどころか、選択肢としてあることすら認知していなかったように見受けられました。「それ木でできるの?」「森の中で幼児を遊ばせて危なくないの?」。また、それぞれの分野の人たちがバラバラにマーケティングしていたために大きなマーケットとしては成長していない中で個々が苦戦しているようでした。
 そんな中で誕生した木育はコンセプトに「子どもをはじめとするすべての人が」と幅広い年齢層にターゲットを広げ、暮らしのすべてのシーンで森や木が使えることをPRしていきました。また「木や森との関わりを主体的に考える人を育む」という考えは「アーリーアダプター」層(新ししいサービスや商品を早い段階で採用する重要なターゲット)に共感をえられ、その後マーケットを広げていくことに貢献したと思います。そして「木育はつながりのキーワード」というコンセプトは、各分野でバラバラやっていたマーケティング活動を森や木の利活用という大きな枠で統合し、強いマーケットを作り上げました。ここで「木育」というワードはこのマーケットを象徴する合言葉として機能したのです。

この20年の木育という公共的な活動の中で森は「危険なもの」「遠くから見ているもの」から「遊ぶところ」「中に入るもの」木は「自分で加工できる材料」「癒される素材」といったマインドセットに成功し、ここに 木材、木製品、森林サービスを受け入れる見込みのある大きなマーケット=木育マーケットが誕生しました。今後のこのマーケットのニーズをうまく掴み、個々人が商品を売っていくだけです。

木育の種、咲かせた花
それは異分野クロスという手法です。
 協働という仕組みで生まれ、育った「木育」は違うセクターの人々が木と森を通して、価値観の違いを乗り越えて、協力し合うことで、新しい公共を作り出すことを体現しました。その中核となる木育マイスターや活動に参加する人たちにもその過程は浸透し、今度は個々も異業種交流の中から新しい価値を生み出そうとしはじめました。
 北海道にある木と森を根源的な資源とし、その持続的利用を共通の目的とし、何より、森が好き、木が好きという価値観を共有する中で、それぞれの専門性を掛け合わせることで新しい商品やサービスをイノベーションしていこうという動きが活発化しました。
 木材加工業の人と保育、教育の人の掛け合わせで木製遊具の価値が高まったり、セラピストと大学との掛け合わせで新しい薬ができたり、お酒のGINまで生み出されました。木育が始まり20年間で木や森を題材にあるゆる分野のクロス(掛け算)が行われ、新しい価値が創造され、新しいサービス、新しい商品、新しい文化が生まれ、木と森を身じかに感じ、その関わりを主体的に求めるライフスタイルが定着してきたように思います。
 これは「あれも木育これも木育」という言葉に込められた物事を分断せず、全てを受容していこうという行動指針がもたらしたものです。今後も価値の掛け合わせによるイノベーションがどんどん起こるでしょう。これは木育に限らず、北海道の新しい産業や文化の創出の手法として影響を及ぼしていくと思います。

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森×お菓子 イタヤカエデの樹液を利用したお菓子づくりも木育です

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森×香り 森の香り、匂いの利用を考えることも木育です


◆合同会社 machi cen 代表社員・株式会社 流山 代表取締役 宮本 英樹

木育の種、咲かせた花〜第16回「木育マイスター育成研修のはじまり」 -  2024.09.16 Mon

私は、普段、北海道庁で林業・木材産業の振興に取り組んでいます。木育とがっちり関わったのは、今から十数年前の木育マイスター研修です。このリレーエッセイの依頼をきっかけに、マイスター研修の始まりを振り返ってみようと思います。

【木育マイスターとは】
 平成16年(2004年)に、全国で初めて「木育」が誕生しました。「子どもをはじめとするすべての人が『木とふれあい、木に学び、木と生きる』取り組み」という理念は、大人から子どもまで、緑(森林体験)から茶色(木材利用)まで、幅広く定義付けされました。
 道庁では当初、植樹活動や林業体験、木のおもちゃの体験活動「わくわく!木育ランド」などの木育活動を展開していましたが、親子向けの単発的なイベントとなってしまうことも多く、木育を道民運動として定着させるためには、木育活動を担う人材の育成が重要だという声が大きくなりました。
そこで、平成21年(2009年)に、木育の専門人材の認定制度と育成カリキュラムを作成するため「木育プログラム等検討委員会」を設置。検討委員会では、認定制度のあり方や必要とされる人材像、それを踏まえたカリキュラム内容など、幅広い分野の委員の様々な視点からご議論いただき、育成テキスト「木育達人(マイスター)入門」が完成し、北海道の木育マイスター認定制度がスタートしました。
 木育マイスターとは「北海道が認定する、木育を普及させる専門家。ある分野(森のこと、木工についてなど)の専門的知識を持ち、企画力やコーディネート力のある方。」と整理されています。森林や木材、子育て、文化など、あらゆる分野の知識・技術を一人のマイスターが身につけることが必要なのではなく、様々な分野の方々をコーディネートし、人と人、地域をつなげてネットワークを構築することができる人材が木育マイスターであると定義されたところがポイントと考えています。「あれも木育、これも木育」という北海道の木育を進めるためにも、木育マイスターが地域で木育活動を展開し、さらにはそのコーディネート力やネットワークにより地域社会に木育を浸透・定着させていこうという考えでした。

【全国初の木育マイスター育成研修】
 平成22年(2010年)から第1期の木育マイスター育成研修が始まりました。前年の検討委員会において、研修事業の大枠は決められていましたが、その他の細かな内容はほぼ白紙。業務を請け負ってくれたNPO法人ねおすの皆さんと、私を含む道庁担当者で打合せを重ね、研修事業の枠組みをつくりました。ねおすの皆さんは、講師との調整や関係者との打合せ、研修地域の特徴を活用したプログラムづくり、OJTの設定など、現在のマイスター研修の下地を一から積み上げていただきました。改めて感謝申し上げます。

20240901今では恒例のアイスブレイク

初めてのマイスター研修は、札幌とオホーツクの二会場で実施。準備の都合から第1回目が10月下旬、2回目は年明けの1月開催となりました。人が集まるのか不安もありましたが、ふたを開けてみれば、多くの応募があり、急遽定員を40名に増やして対応しました。

研修初日に受講生の心をがっちりつかむM本マジックは今と変わらず。記念すべき第1期生は38名を認定。林業や木材産業関係、保育士や役場職員、自然体験活動の指導者など、バラエティに富んだ1期生の方々は、いまもフロントランナーとして、精力的に地域で活躍されています。

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研修のグループワークで、あるチームが「木育song」の提案をしていましたが、木育誕生20年の節目に果たして実現なるでしょうか。

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2024年1月現在、第14期生まで総勢369名の木育マイスターが誕生しています。多くのマイスターが、研修を通したつながりはもちろん、地域に戻ってからの先輩とのつながり、OJT受け入れ先とのつながりなどを活かして活動を展開しているほか、全道各地に木育マイスター支部が設置されるなどネットワーク化も進んでいます。こうしたつながりを活かしながら、様々な地域や分野でますます木育が拡がり、そして定着していくことを期待しています。

【林業・木材産業へのつながり】
道では、平成28年(2016年)、北海道森林づくり条例に「木育の推進」を盛り込み、この条例に基づく「北海道森林づくり基本計画」において「森林資源の循環利用」と「木育の推進」を基本的な方向に位置付け、重点的な取組のひとつとして木育活動の推進に取り組んでいます。
多くの道民の皆さんにとって、普段あまりなじみのない林業・木材産業の世界ですが、関心や興味を持っていただきたい。日々の暮らしの中に道産木材をもっと取り入れてもらいたい。森林づくりの担い手になって欲しい、それがダメなら応援してくれるだけでも…。林野行政に携わる私としては、木育を通じて道民の皆さんと森林・林業・木材産業とのつながりをもっとつくりたいと考えていますが、これがなかなか難しい。植樹活動や「HOKKAIDO WOOD」の取組などは木育との親和性も高く、受け入れやすいと感じていますが、その場限りのイベントになりがちです。こうした取組をもっと意識的に、林業・木材産業や森林資源の循環利用への理解などにつなげていきたいと考えています。そのための手法や手段はもちろん一つではなく、すでに全道各地でマイスターの皆さんが実践している様々な木育活動の中に答えがあると思っています。これからも全道各地の事例を参考に、木育マイスターの皆さんとも連携し、私なりに色々な木育にチャレンジしながら、北海道の森林づくりの応援団を増やしていきたいと思います。
木育が北海道で生まれて20年。これからも木育マイスターを始め多くの方々の力で、ますます木育がつながり、拡がり、深化していくことを願っています。



◆北海道水産林務部林務局林業木材課 除村 広

木育の種、咲かせた花~第15回「二十歳を迎えた木育に思うこと」 -  2024.06.16 Sun

木育とは、子どもをはじめとするすべての人が、『木とふれあい、木に学び、木と生きる』取組です。
それは、子どもの頃から木を身近に使っていくことを通じて、人と、木や森との関わりを主体的に考えられる豊かな心を育むことです。

◇木育の定義
これは、北海道発の木育の定義です。木育は、平成16年に道が設置した官民協働による木育推進プロジェクトという検討委員会での議論を経て、その理念や取り組むべき施策等がまとめられました。当時、私は北海道水産林務部で道産木材の需要推進を担当する職員としてプロジェクトに参画し、木育の定義づくりにも関わりました。後半の「木や森との関わりを主体的に考えられる」の部分には、特に思い入れがあります。というのも、プロジェクトが提案した原案では、当初「主体的に」は「ちゃんと」となっていました。しかし「ちゃんと」という言葉は、行政用語として適当でないということから却下され、それを代用できる言葉は何かを検討した結果、「主体的に」に落ち着いたという経緯があります。自分の中では妥協であり、やはり「ちゃんと」が最もしっくりくると感じていたので、この定義を見るたびに違和感を抱いてきました。10年前の「木育next10」でも、そのような話をしましたし、森の輪プロジェクト発行の「森の輪物語2020」に寄稿した「北海道で生まれた木育と森の輪」にも、「ちゃんと」に対する考えを書かせていただきました。

森の輪物語 2020 | 森の輪 | book (morinowakko.com)

20年目となった今年、少し考えが変わってきています。「ちゃんと」という言葉をネット検索してみると、ビジネスやフォーマルなシーンには適さないカジュアルな表現なので、場面によっては言い換えた方がよく、例示として「適切に」「正確に」「きちんと」「ものの見事に」「しっかりと」などが挙げられ、当然とも言えますが、「主体的に」という言葉はどこにも出てきません。改めて、「ちゃんと」を「主体的に」に置き換えたことを振り返ると、木育を定義づけようとする文脈の中で、その趣旨が最も伝わりやすい言葉が選ばれたということになります。私は、木育の定義の中では、ここが一番肝心要の部分だと思っており、「主体的に」というのはすなわち自分が主役、現代風の表現にすると「自分ごととして」と置き換えることもできます。多くの人々に木や森との関わりを「自分ごと」として考えてもらうことができれば、森林資源の循環利用をはじめ、気候変動緩和のための森林吸収源対策、生物多様性の保全など、森林と人間社会とをめぐる様々な課題解決にもつながっていくように思われます。そういう意味では、あいまいな表現である「ちゃんと」ではなく、「主体的に」で良かったのかも?と思う今日この頃です。

◇木育の人材育成
北海道で木育が誕生してから2年後の平成18年、林野庁が国の森林・林業基本計画に位置付けたことから、木育は全国区となりました。今では、道内外を問わず多くの自治体で木育の事業が進められ、民間による取り組みも広がっていますが、本家本元である北海道の木育の多様性が注目されています。それを支えているのは、何といっても木育マイスターの皆さんの活躍です。ちなみに木育マイスターの育成が始まったのは平成22年からで、木育の誕生から5年も経過した後のことです。そこにもエピソードがあり、木育プロジェクトの終了後に道庁が木育の発信と普及のために取り組んだ事業は、「わくわく!木育ランド」という木製遊具を活用した遊び場の提供と、子供たちが生きる力を育む場として市町村が指定した「げんきの森」での赤ちゃん誕生記念植樹でした。全道各地での事業実施に伴い木育という言葉が知られるようになりましたが、それは、「木育って子どもが木のおもちゃで遊ぶことでしょ?」という狭義の意味が普及して行きました。このことに、煙山さんをはじめとするプロジェクト委員の面々が大いに憤慨されたのです。自分たちが議論を重ねた末に生み出した木育の理念は、そんな小さなものではないのに、なぜ道庁は誤解を招くような事業を進めるのか、木育のことを正しく理解して、それを普及してもらえる人材の育成こそが必要な取り組みではないのか?と…当時の水産林務部の林務局長に直談判したのでした(その場をセッティングしたのは私です)。
そうして翌年から人材育成のためのテキストづくりが始まり、プロジェクト委員を中心とする有識者の方々の協力を得ながら作成されたのが「木育達人(マイスター)入門」です。続いて22年度からいよいよ木育マイスター育成研修がスタートし、昨年令和5年度に研修を修了した14期生までには、369名 の木育マイスターが認定されました。今年も研修生の募集が始まっており、道による木育マイスターの育成・認定事業は今後も継続されますので、木育マイスターの皆さんの活躍によって、北海道の木育はますますパワーアップしていくことでしょう。

◇木育のチカラ
20年前に木育という言葉に出会い、魂を込めるための議論に参加するうちに、私自身が子供の頃から好きだった草花への愛着や、学生時代は学びの対象として社会に出てからは仕事として向き合ってきた北海道の森林への思い、そしてそれらを人々に伝えたいという情熱などが交錯し、自分の中で混沌としていたものが一つの言葉に凝縮されるような感覚を覚えました。以来、道職員としての業務の中で木育の事業を企画したり、また木育ファミリーや森の輪プロジェクト等の活動を通して木育に関わってきました。昨年の春には、34年余り勤めた道職員を卒業して民間人となりましたが、再就職した会社の受託事業の中で、企業による森林づくりや自治体の森林活用を支援するなど木育関連の業務にも携わっています。また、今年3月に設立された一般社団法人森の輪に理事として参加しており、この団体は、本稿第10回に日月さんが紹介された「森の輪(もりのわっこ)」を自治体から贈呈する事業を引き継ぐとともに、森林環境教育や木のものづくりなど幅広く木育を推進する事業に取り組んでいくこととしています。還暦という人生の節目を迎え、官から民に立場が変わっても、新たな組織とともに木育に関わっていられることを素直に嬉しく思います。

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私は現在、札幌市に住んでいますが、道職員時代には転勤によっていくつかの市や町に住みました。本音では、都市より田舎・地方が好きなので、いずれまた地方の町に住みたいという気持ちがあります。そう思う根底には、森林と暮らしとの距離感の違いがあるからではないかと思っています。私の肌感覚として、都市の環境は自然に対する人間圧が強すぎるように感じます。
今年の4月に消滅可能性自治体なるものが発表されると、地域の将来への危機感や焦燥感が煽られるような空気感が蔓延し、とても残念に思いました。そんな言葉に惑わされないように、森林の持つ多様な価値を引き出し、森のチカラで地方を元気にしたい!と思います。そのためには、森と人との関わりを「自分ごと」として考え行動する人が、それぞれの地域に必要です。そのためのはじめの一歩が、「木とふれあい、森に学ぶ」取組です。さあ皆さん、これからがますます木育の出番ですよ~!!



◆株式会社森林環境リアライズ 相談役/ 一般社団法人森の輪 副代表理事  濱田智子

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