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🌸NHK朝ドラで注目! 宇野千代が自ら語った、波瀾万丈の人生🌸

88歳になったとき、「いまが一番幸せ」と言える人はどれくらいいるでしょうか?

『宇野千代 ちょっと自伝』
宇野千代 著 三宅菊子(聞き書き) 1,980円(税込)


今日から放送が始まったNHK連続テレビ小説『ブラッサム』。モデルとなったのは、作家・宇野千代です。
小説家として数々の作品を残す一方、雑誌をつくり、きものの仕事を手がけ、そして恋をした。そんな宇野千代の人生には、「心が動いたら、まずそちらへ行く」という勢いがあります。

たとえば、岐阜に樹齢千年を超える「淡墨の桜」があり、枯れかけていると小林秀雄から聞いたときのこと。宇野千代は、いてもたってもいられず、すぐに見に出かけます。
その桜を守るために奔走したことを振り返り、こんなふうに語っています。

わたしの人生は考えてみると、心を打たれた、感動したことに向かって走って行く、その繰り返しでしたね。男にもそうだったなあ。

本書p30より

恋もそうでした。

若いころには、男前の先生に惹かれたことをきっかけに職を追われます。そして故郷を離れ「大したものになりたい」と東京へ。
芥川龍之介に憧れ、梶井基次郎と親しく交流し、尾崎士郎、東郷青児、北原武夫らとの恋も経験します。

一方で、世間が思うように恋愛がいつもうまくいったわけではありません。「失恋しても泣かなかったなんて、嘘を言ったの」と、誰も見ていないところでは「よよと泣いた」ことも本書ではこっそり明かしています。

仕事にも、同じように夢中になりました。
小説を書き、女性雑誌をつくり、一反の白生地からきものの仕事を始める。
本書の目次には、「仕事のできる場所で生きる」「きもののおかげで文学を続けられた」「文学のためなら身を捨ててもいい」といった言葉が並びます。

本書『宇野千代 ちょっと自伝』は、宇野千代が88歳から91歳のときに語った言葉をまとめた一冊です。
1985年から1989年にかけて雑誌『クロワッサン』に掲載された連載を再構成し、故郷・岩国や思い出の湯ヶ島などを訪ねながら、自らの人生を振り返っています。

そして88歳の宇野千代は、自分の「いま」についてこう語ります。

いまのわたしは、ほんとうに満ちたりて、何の心配ごともなく、これほど幸福だったことはないというくらいの生活です。有難いなぁ、と思うのよ。

本書p137より

恋をして、働いて、失敗して、それでも心が動くほうへ走っていく。
朝ドラで宇野千代を知る人にも、その名前をずっと知っていた人にも、まずは本人の言葉で、その人生に触れてほしい。

読み終わったとき、「いまが一番幸せ」と言った88歳の宇野千代が、少しうらやましくなるかもしれません。

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