知って得する英語Blog!似ていて迷う英文法の違い・使い分け・見分け方

似ていて迷いやすい英文法の違い・使い分け・見分け方を、例文と判断基準で分かりやすく解説します。丸暗記ではなく、「どちらを使うのか」「英作文では何を見て判断するのか」まで理解できる英文法ブログです。

英語の冠詞a・an・the・無冠詞の違いと使い分け|「特定できるか」で判断する方法

英語を勉強していて、「なぜここはaなの?」「どうしてtheが必要なの?」「なぜ何も付かないの?」と疑問に思ったことはないでしょうか。

冠詞は、日本語にはほぼ同じ仕組みがないため、日本人にとって感覚的に理解しにくい文法項目の一つです。

しかし、a・an・the・無冠詞を別々のルールとして暗記する必要はありません。

冠詞を判断するときの中心となる問いは、
「聞き手は、どれのことか特定できるか?」
です。

この記事では、日本語訳から冠詞を考えるのではなく、英語では名詞をどのように捉えているのかというところから、a・an・the・無冠詞の使い分けを説明します。

⑴ 日本人にとって冠詞が難しいのはなぜ?

日本人が英語の冠詞を難しいと感じる大きな理由は、日本語ではa・theに相当するものを意識しなくても会話が成立するからです。

例えば、日本語なら、

「昨日、本を買いました。本は面白かったです。」

と言っても意味は通じます。

しかし英語では、

I bought a book yesterday.
昨日、本を1冊買いました。

The book was interesting.
その本は面白かったです。

最初は a book、次は the book になっています。

「1回目だからa、2回目だからthe」と覚えることもできますが、それだけでは冠詞の仕組みは理解できません。

なぜなら、初めて話題に出る名詞でもtheを使うことがあるからです。

冠詞は「名詞に付ける案内表示」と考える

例えば、テーブルの上にリンゴが5個あるとします。

その中のどれでもよいので1個取ってほしいなら、

Give me an apple.
リンゴを1個ください。

と言えます。

この an apple は、

「そこにあるリンゴの中の、どれか1個」

という感覚です。

ところが、その中の1個を指さしていて、話し手も聞き手もどのリンゴか分かっているなら、

Give me the apple.
そのリンゴをください。

となります。

ここでのtheには、

「どのリンゴのことか、あなたにも分かりますね」

という感覚があります。

カメラの映し方に例えてみる

冠詞は、カメラで名詞をどのように映しているか、と考えると分かりやすくなります。

I saw a dog in the park.
公園で犬を1匹見ました。

たくさんいる犬の中から、まず「ある1匹」をカメラの画面に入れたようなイメージです。

その後、

The dog followed me.
その犬は私についてきました。

と言えば、今度は先ほど画面に入ったその犬にカメラを寄せています。

一方、

Dogs are friendly animals.
犬は人なつこい動物です。

なら、特定の1匹を映しているのではなく、犬という種類全体を見ています。

まず次の感覚を持ってください。

a / an = いくつかある中の「どれか1つ」

the = 「どれのことか分かるもの」

無冠詞 = 特定の1つではなく、種類・物質などを広く捉える場合など

では、実際に英文を作るときは、何を見ればa・the・無冠詞を選べるのでしょうか。

⑵ 冠詞は3つの問いで判断する

冠詞を決めるときに、いきなり「aかtheか」と考えるのはおすすめできません。

まず、次の3つを順番に確認します。

① その名詞は数えられるか?
可算名詞か、不可算名詞かを確認します。
② 数えられるなら、1つか複数か?
③ 聞き手は「どれのことか」特定できるか?

基本的には次のように考えます。

名詞の状態 基本的な形
聞き手がどれか特定できる the
特定されていない単数可算名詞 a / an
一般的・非特定の複数可算名詞 無冠詞
一般的・非特定の不可算名詞 無冠詞
これは冠詞を理解するための基本的な判断方法です。実際の英語ではsome・my・thisなど別の限定語を使う場合や、固有名詞・慣用表現など別のルールもあります。

⑶ a / an|「どれか1つ」を表す

a / anを使う基本条件は次の3つです。

① 数えられる名詞
② 単数
③ 聞き手がまだどれか特定できない
I saw a dog near the station.
駅の近くで犬を1匹見ました。

話し手自身は、実際に見た犬なので「どの犬か」を知っています。

しかし、この発言を初めて聞いた相手には、まだどの犬のことか分かりません。

そこで a dog になります。

冠詞で重要なのは、「話し手が知っているか」ではなく、「聞き手がどのものか特定できるか」です。

aとanはスペルではなく「音」で決まる

一般には子音の音の前ではa、母音の音の前ではanを使います。

a university
大学

an hour
1時間

an MBA student
MBA課程の学生

universityは文字では母音字uから始まりますが、発音の最初は /j/ の子音なのでa universityです。

一方、hourはhを書きますが、hを発音しないため母音の音から始まり、an hourとなります。

職業にもa / anを使う

My sister is a nurse.
私の姉は看護師です。

職業を表す単数可算名詞にも、通常a / anが必要です。

⑷ the|「どれのことか分かる」を表す

theを単純に「その」と訳して覚えると、使い方を誤りやすくなります。

基本となる考え方は、

話し手と聞き手の間で、「どれのことか特定できる」

です。

① 一度話題に出ている

I bought a camera yesterday.
昨日、カメラを1台買いました。

The camera was expensive.
そのカメラは高価でした。

2文目では、どのカメラか聞き手にも分かるためtheになります。

② その場の状況から分かる

部屋にいて、閉めるべきドアが明らかな状況なら、

Please close the door.
ドアを閉めてください。

と言えます。

doorが会話に初めて出てきたとしても問題ありません。

「初めて出た名詞=a」ではありません。
初登場でも、相手がどれのことか特定できればtheを使えます。

③ 後ろの説明によって特定できる

The man standing by the window is my uncle.
窓のそばに立っている男性は私のおじです。

manは初めて出ていますが、standing by the windowによって「どの男性か」が特定されています。

④ 共通認識からどれか分かる

The sun was shining brightly.
太陽が明るく輝いていました。

話している世界・状況の中で何を指しているのか共通に理解できるものにはtheが使われます。

⑸ 無冠詞|何も付けないのにも意味がある

日本人学習者は「名詞の前にはaかtheを付ける」と考えがちです。

しかし、何も付けないことも英語では重要な選択です。

複数可算名詞で一般論を表す

Dogs are social animals.
犬は社会性のある動物です。

特定の犬ではなく、「犬というもの」を広く述べています。

不可算名詞を一般的に述べる

Water is essential for life.
水は生命に不可欠です。
I like coffee.
私はコーヒーが好きです。

特定の水やコーヒーではないため、冠詞を付けていません。

不可算名詞でも特定されればtheになる

The coffee on the table is cold.
テーブルの上のコーヒーは冷めています。

coffeeは不可算名詞ですが、on the tableによってどのコーヒーか特定されています。

「不可算名詞だからtheを使えない」というルールはありません。

特定できれば、不可算名詞にもtheを使えます。

⑹ a・the・無冠詞を並べて比べる

ここまでの違いを、同じdogという名詞で比較してみましょう。

英文 どのように捉えているか
I saw a dog. たくさんいる犬の中の、ある1匹
The dog followed me. どの犬か聞き手にも分かる
Dogs are intelligent animals. 特定の犬ではなく、犬という種類全体

冒頭の「カメラ」の例で考えると、

a dog
→ ある1匹を画面に入れる

the dog
→ その犬にカメラを合わせる

dogs
→ 個別の犬ではなく「犬という種類」を広く見る

と考えることができます。

a・the・無冠詞を別々の暗記項目にするより、この違いを理解することが重要です。

⑺ 冠詞を決める前に可算・不可算を見る

冠詞を正しく使うには、まずその名詞が可算名詞か不可算名詞かを確認する必要があります。

× I need an information.

○ I need information.
情報が必要です。

informationは通常、不可算名詞なので、1つを表すa / anをそのまま付けることはできません。

一方、

I need a chair.
椅子が1脚必要です。

chairは数えられるため、単数ならaを使えます。

冠詞を判断する前に、「この名詞は数えられるのか?」を見る習慣を付けることが重要です。

可算名詞・不可算名詞そのものの判断については、次の記事で詳しく説明しています。

⑻ 日本語訳だけで判断すると間違える

冠詞を日本語訳だけで考えると、判断できないことが少なくありません。

例えば、次の2文を比べてください。

I opened the window.
窓を開けました。

I bought a window for the new room.
新しい部屋のために窓を1枚買いました。

日本語ではどちらも「窓」と訳せます。

しかし英語では、

the window
→ どの窓か相手にも分かる

a window
→ 数ある窓の中の1つで、まだ特定されていない

という違いがあります。

「『その』と訳せるからthe」「『1つの』と訳せるからa」と日本語から逆算するのではなく、英語でその名詞をどのように捉えているかを考えましょう。

⑼ 冠詞の有無で意味が変わる表現

英語には、冠詞を付けるかどうかで名詞の捉え方が変わる表現があります。

代表例がschoolです。

My son goes to school every weekday.
息子は平日は毎日学校へ通っています。

ここでは「学校という建物」を意識するより、学生として授業を受けるという学校本来の機能が中心です。

一方、

I went to the school to meet his teacher.
私は先生に会うため、その学校へ行きました。

では、具体的な「その学校」という場所・建物を指しています。

school と the school の違いは、単に「冠詞がある・ない」ではなく、その名詞をどのような意味で捉えているかの違いです。

school・bed・churchなど、特定の名詞で冠詞を使わない表現については、別記事で詳しく扱います。

⑽ 英作文ではどう判断する?

英作文で冠詞に迷ったときは、次の順番で考えてください。

STEP 1 その名詞は数えられる?
まず可算名詞か不可算名詞かを確認します。
STEP 2 可算名詞なら、単数?複数?
単数可算名詞は、原則としてa / an・the・my・thisなど何らかの限定語が必要です。
STEP 3 聞き手は「どれのことか」特定できる?
YES → the
話題・状況・説明・共通認識などから、どれか分かる。
NO → 単数可算名詞ならa / an
NO → 複数可算名詞・不可算名詞なら無冠詞が基本
ただし、意味によってsomeなど別の限定語を使うこともあります。

実際に判断してみる

「公園で犬を1匹見ました。」を英語にするとします。

① dogは数えられる
↓
② 1匹なので単数
↓
③ 聞き手はまだどの犬か知らない
↓
a dog
I saw a dog in the park.
公園で犬を1匹見ました。

続けて「その犬が私のところへ走ってきました。」なら、

① dogは数えられる
↓
② 単数
↓
③ 先ほどの犬だと聞き手にも分かる
↓
the dog
The dog ran toward me.
その犬が私のところへ走ってきました。
冠詞は「何となく感覚で選ぶもの」ではありません。

名詞の種類 → 数 → 特定できるか

という順序で考えると、日本人でもかなり論理的に判断できます。

⑾ 間違いやすいポイント

① 初めて出た名詞には必ずaを付ける?

いいえ。

Please open the window.
窓を開けてください。

初登場でも、状況からどの窓か分かればtheを使えます。

② theは必ず「その」と訳す?

いいえ。

I went to the station early.
私は早めに駅へ行きました。

日本語では「その駅」と訳さなくても自然です。

③ 不可算名詞にはtheを付けられない?

いいえ。

The water in this bottle is warm.
このボトルの水は温かいです。

どの水か特定されていればtheを使えます。

④ 複数名詞にはtheを付けない?

いいえ。

The students in this class are very motivated.
このクラスの生徒たちはとても意欲的です。

複数でも、どの生徒たちか特定されればtheを使います。

⑤ 単数可算名詞なら必ずa / an?

いいえ。

My car is parked outside.
私の車は外に止めてあります。

my・your・this・thatなど別の限定語が付いている場合、通常a / anやtheを重ねません。

× the my car
× a this book

⑿ 理解度チェック

次の問題で、a / an・the・無冠詞を自分で判断できるか確認してみましょう。

【第1問】
次の空欄に最も適切なものを入れてください。

I saw (  ) woman carrying a large suitcase near the entrance.

① a ② the ③ 無冠詞
正解:① a

womanは単数可算名詞です。この時点では聞き手にどの女性か分からないため、a womanとなります。
【第2問】
次の会話の空欄に最も適切なものを入れてください。

A: Where is Tom?
B: He's in the kitchen.
A: Please tell him to turn off (  ) light before he leaves.

① a ② the ③ 無冠詞
正解:② the

会話の状況から、どのlightを指しているか聞き手が判断できるため、the lightが自然です。名詞が初登場かどうかだけでは判断しません。
【第3問】
次のうち、「私は猫という動物が好きです」という一般的な意味になる英文を選んでください。

① I like a cat.
② I like the cat.
③ I like cats.
正解:③ I like cats.

特定の猫ではなく、猫という種類全体を一般的に述べる場合、複数形+無冠詞が基本的で自然です。
【第4問】
次の英文の誤りを直してください。

She gave me an useful information.
正解例:She gave me useful information.

informationは通常不可算名詞なので、an informationとはしません。まず冠詞を選ぶ前に、名詞が可算か不可算かを確認することが重要です。
【第5問】
次の日本語を自然な英語にしてください。

「昨日、新しいレストランを見つけました。そのレストランは駅の近くにあります。」
正解例:

I found a new restaurant yesterday. The restaurant is near the station.

最初にrestaurantを出す時点では聞き手にどの店か分からないためa new restaurant。2文目では先ほどの店だと分かるためthe restaurantになります。

⒀ まとめ

冠詞は、日本語の「1つの」「その」という訳だけで覚えようとすると、使い分けが難しくなります。

重要なのは、名詞を見たら次の順番で考えることです。

① その名詞は数えられるか?

② 数えられるなら単数か複数か?

③ 聞き手は「どれのことか」特定できるか?
判断 基本形
どれか特定できる the
特定できない単数可算名詞 a / an
一般的な複数可算名詞 無冠詞
一般的な不可算名詞 無冠詞

特に覚えておきたいのは、

冠詞は、日本語訳ではなく「その名詞を相手がどこまで特定できる状態で話しているか」を考える。

ということです。

a・the・無冠詞を別々のルールとして暗記するのではなく、「名詞を相手にどう見せているか」という1つの仕組みとして捉えると、冠詞の使い分けが見えやすくなります。

関連記事

プライバシーポリシー  |  お問い合わせ