【実機】iPhone Duoの裏で…中国では“3つ折りスマホ”が超進化してた。ファーウェイ新作「Mate XT 2」を触る
Apple初の折りたたみiPhoneが注目を集めるなか、時を同じくして9月上旬、中国ではHuaweiが新しい3つ折りスマートフォン「HUAWEI Mate XT 2」を発売した。
Mate XT 2は、iPhone Duoで話題になったApple Eventの直前にあたる9月7日に中国で発表され、9月12日に発売された。価格は1万9999元から。日本円では発表時点の為替換算で約46万円からとなる。
ファーウェイはこれまで2モデルの三つ折りスマホを出しており、中国国内ではその存在自体は珍しいものではいが、実際に現地で触れてみると、前モデルから折りたたみ構造そのものを変更し、耐久性や普段使いまで含めて作り直していることがわかった。
特に面白いのが、折りたたみ方の変更。初代Mate XTは1枚の大画面を外側にも回り込ませる「屏風型」構造だったが、Mate XT 2では左右のパネルを内側に折り込む構造へ変更され、大型のフレキシブルディスプレイが内側に収まる。
Huaweiはこれを新しい三つ折り構造としている。
閉じれば6.5インチ、開けば10.2インチ
Mate XT 2の最大の特徴は、6.5インチの外側ディスプレイと10.2インチの内側ディスプレイを使い分けられることだ。
折りたたんだ状態では高さ157.2mm、幅77mm、厚さ12.3mm。重量は約299g。そこから左右に展開すると、幅は219.2mmまで広がり、10.2インチの大画面になる。完全に展開した状態では、部分によって厚さ3.5mmから4.0mmという薄さになる。
普段は6.5インチのスマートフォンとして持ち歩き、文章を読む、写真を見る、地図を確認する、資料を広げるといった場面では10.2インチまで広げられる算段だ。
このサイズになると、スマートフォンというより小型タブレットに近い。特に移動中にPDFやWebページを確認するときは、一般的な縦長スマートフォンとは情報量が大きく違う。

一方で、299gという重量は無視できない。3つ折りによって得られる10.2インチという画面を常時持ち歩くためのコストが、重量と厚みに表れている(ただし元三つ折りユーザーとしては意外と慣れるものです)。
3つ折りなのに、画面を内側へ収納する構造に変わった
Mate XT 2で最も注目したいのは、3つ折りそのものよりも、折りたたんだときのディスプレイの扱いだ。
前述のとおり、過去モデルはディスプレイを内側に折り込む箇所と外側に折り込む箇所があったが、後者については「山折り」のように画面が露出した状態になり、持っていて「壊さないか怖い」気持ちになっていた。
しかし、Mate XT 2では左右のパネルを内側へ折り込む方式に変更になり、完全に閉じた状態では大型のフレキシブルディスプレイが外側に露出しない。初代Mate XTとは大きく異なる部分だ。
この変更に合わせてヒンジも新設計となったことで、耐久性について内側ディスプレイの耐衝撃性が200%、ヒンジの耐衝撃性が90%向上したとアピールしている(公称値)。
防塵防水についてもIP58とIP59に対応するとしているが、高度なレベルではないため、折りたたみ端末である以上、水回りで通常のスマートフォンと同じ感覚で扱うべきではない。
3つ折りの大画面だからこそ、防覗き見機能が生きる
Mate XT 2には、もう一つ「霊盾防窺屏」と呼ばれる覗き見防止ディスプレイが搭載された特徴的なモデルが用意されている。
この覗き見防止モードを有効にすると、ディスプレイの画素構造を切り替えて側面からの視認性を下げる仕組みで、ちょうどサムスンが本年初頭に「Galaxy S26 Ultra」に搭載した「プライバシーディスプレイ」と同等のものになる。
この機能が3つ折り端末との相性がいい。
10.2インチまで展開すると、スマートフォンよりも周囲から画面を見られやすくなる。電車や飛行機の中で資料を読んだり、仕事の情報を確認したりする用途では、画面が大きくなるほど覗き見の問題も大きくなるからだ。
ただし、その分このモデルはお値段は高くなり、約58万円。ロマンあるがさらに手を出しづらいモデルだろう。
カメラは3つ折りスマホだからといって妥協していない
ファーウェイなのでカメラも抜かりない。背面には5000万画素の広角、4000万画素の超広角、5000万画素の望遠という3眼構成を採用する。
広角カメラは1/1.28インチセンサーを採用し、絞りはF1.49~F4.0の連続可変。望遠カメラは3.5倍の光学ズームで、F2.2。さらに第3世代の紅楓原色カメラを搭載する。前面カメラは外側、内側ともに800万画素の超広角だ。
特に可変絞りを備えたメインカメラはAppleのiPhone 18 Proが搭載したことが記憶に新しいが、ファーウェイは三つ折りに搭載してしまう、贅沢仕様となっている。
5600mAhバッテリーとKirin 9050 Pro
そしてマニアの間で注目されたのがプロセッサ。搭載するSoCはHuawei傘下のHiSilicon製「Kirin 9050 Pro」と言う自社開発品で、Mate XT 2が初搭載となる。
バッテリー容量は5600mAhで、有線充電は最大66W、ワイヤレス充電は最大50Wに対応する。
さらにHarmonyOS 7を搭載し、大画面では3つのウインドウを並べて利用できるため、10.2インチの画面を単純に大きな表示領域として使うのではなく、複数アプリを同時に扱うための作業スペースとして使える設計だ。

ちなみに中国向けモデルらしい機能も多い。中国国内では天通(Tiantong)衛星通信や北斗衛星メッセージに対応しているが基本的に中国国外で発揮する場面はない。
価格は約46万円から。最上位は約70万円
価格を見ると、この端末が一般的なスマートフォンとは別の市場を狙っていることが分かる。標準ディスプレイモデルは16GBメモリで、256GBが1万9999元、512GBが2万1999元、1TBが2万3999元。
覗き見防止ディスプレイ搭載モデルは1TBが2万4999元。さらに2TBストレージと覗き見防止ディスプレイ、スタイラスペンを組み合わせた最上位モデルは2万9999元となる。日本円では発表時点の換算で約70万円に達する。
私は以前「Galaxy TriFold」と呼ばれる三つ折りスマホを中国で1万9999元で購入したことがあるため、正直なところ「高騰時代によく頑張ったな」という印象を持ったが、世間的には半端ないくらい高いだろう。
299gの端末を持ち歩く代わりに、10.2インチのタブレットを別途持ち歩かなくていい。そこに3つ折り機構、カメラ、ペン入力、マルチウインドウを組み合わせている。
つまりMate XT 2は「高価なものを厭わずに」スマートフォンとタブレットを一台にまとめたいロマンの持ち主に対する提案というわけだ。
なお、本製品は現時点で中国国内でしか販売されていないが、たとえ国外で発売されたとしても、対米事情によりGoogle関連サービスは一切使えない点、そもそもAndroidではないOS(互換機能はあるが)を搭載している点、日本語入力が不自由な点を加味すると、相当なマニアでない限り使えない点はことわっておきたい。



